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ヌードルライター、鹿児島ラーメン王に迫る!



いよいよ第4回鹿児島ラーメン王決定戦が間近に迫ってきましたね。鹿児島県下の人気・実力店が一堂に会することもあり、全国から熱い視線が向けられてきたこのラーメンイベント。日本で唯一(※本人調べ)のヌードルライターとして活動している私、山田もその一人です。あの店も、この店も、気になる、気になる。うわー、当日まで待ちきれない! ということで、ノミネートされた18店舗を巡ってみることにしました。怒涛の実食レポート18連発、全6回の記事にてお届けします。

麺食堂 TaRa

新旧の垣根を超えたネオ中華そば。

住宅街の一角、周りにコインパーキングも少ない高麗町に店を構えている「麺食堂 TaRa」。店を訪れると、周囲の景観に馴染む一軒家で、店頭にはセンスのいい暖簾が掛かっていました。
店内に入ると、食堂という店名から連想していた温かみのある空間が広がっています。入口側には小上がりがあり、この日は赤ちゃん連れのご夫婦がのんびりと食事を楽しんでいました。一方で、その奥に目を向けるとカウンター席とテーブル席があり、近隣で働いているであろうサラリーマンの方々が目の前のラーメンに集中、一心不乱にかき込んでいます。どちらも食堂の風景です。

ラーメンのお品書きは、現在、「豚SOBA」のこってりとあっさり、醤油スープの「中華SOBA」、そして「油SOBA」の4種類です。しかも開業当初から自家製麺を取り入れ、それぞれのラーメンにマッチする麺をこしらえていました。驚くことに店主はこれらを独学によって作り上げたそう。その高いセンスと確かな味覚によって完成したラーメンは、それぞれに熱烈なファンがいるそう。

店主からサジェストしてもらったのは「中華SOBA」です。スープは見つめていると吸い込まれそうな琥珀色。そこに浮かぶように盛り付けられたレアチャーシューを筆頭に、メンマ、海苔、ナルト、ネギがトッピングされています。これが煮豚だったりすると一気にクラシカルな佇まいに思えるところ、レアチャーシューにより、現代的解釈がもたらされた一杯に変貌を遂げていました。この見た目における新旧の融合は、丼の中でもなされていました。

スープは黒さつま鶏の鶏ガラを主体に豚骨を少々ブレンド。そこに独自の元ダレを合わせ、出汁感は強く、醤油もきっちりフックとなるスープに仕上がっていました。スープだけを飲むと、昔ながらの中華そばのそれを彷彿とさせる。

しかし、麺がそうさせない。そのまま郷愁を誘う方向性であればストレートの、中細くらいの麺を合わせそうなものですが、店主は中太の手もみちぢれ麺を当てます。この麺がむっちりと、力強い。縮れがかなり効かせてあり、息を吸い込み、啜り上げる時の躍動感たるや、釣り上げられたばかりの生きのいい魚を思わせるほどに、ピチピチと跳ねる感じ。これだけゴリゴリと個性を主張する麺なのに、スープと合わされば、すっと馴染むのだから感動もひとしおです。

麺食堂 TaRa

住所
鹿児島市高麗町41-8
Tel
099-821-5450
営業時間
11:30〜14:30、18:00~20:00(夜の営業再開は未定)
定休日
月曜
その他
席数 32
駐車場 あり

※掲載内容は記事公開時点の情報です。最新の店舗情報等につきましては直接店舗までお問い合わせください。

麺屋トラノコ

脳に響く煮干しと豚骨のクロスオーバー。

「今、鹿児島で店を営んでいる。そのことに最も驚いているのはぼくかもしれません」。店主はそう言って笑顔を見せました。出身は愛知県・名古屋。ラーメンに魅せられ、日本中に知られるつけ麺の有名店で修業を積み、生まれ育った名古屋で開業するつもりだった店主は、縁あって鹿児島県・霧島市に暮らしています。

「両親が生まれ故郷の鹿児島に戻るということになりまして。名古屋で店を開業しても、いずれ両親の老後の世話などで最終的に鹿児島に行くことになるのだと思い、それだったらもう行ってしまおう、と」。こうして店主にとって思いがけない鹿児島ライフが始まりました。元々寿司屋だったテナントに入居し、店を開業して4年半。地元客を中心に、最近では鹿児島市内からもお客が訪れているのだといいます。

修業先で身につけたつけ麺のノウハウは一旦封印。まずは地域の人たちに親しまれる味を提供したいという思いから、現在は、豚骨、中華そば、味噌の3種をラインナップしています。その中から、鹿児島では珍しいという煮干しを効かせた「煮干中華そば」に狙いを定めました。

スープは、出汁の出方が異なる大羽、中羽、小羽の煮干しをブレンドして抽出した魚介系の出汁に、頭骨を主体に様々な部位を織り交ぜた豚骨出汁によるWスープ仕立て。最大の特徴である煮干しの出汁は、特有のクセを抑え、馴染みのない人にも喜んでもらえるようなギリギリのラインを攻めています。煮干し感はちゃんと伝わってくるのにそれだけが突出してないのは、濃度の高い豚骨スープがもたらす豚の甘みのなせる技。また、鹿児島らしい甘口の醤油を使った元ダレを合わせることで、全体的にまろやかで、丸みのあるテイストに持っていく手腕にも注目です。

麺は大阪「飯田製麺所」から仕入れた中細のちぢれ麺。小麦の風味があり、麺そのものの味が堪能できるこの麺は、むっちりとした食感もウリで、食べ終える頃まで食感が損なわれませんでした。
なお、こちらの豚骨ラーメンは、魚介出汁がほのかに香る和風豚骨。ずっしりと重い豚骨スープをさらりと堪能できる一杯です。

鹿児島の地で進化し続ける孤高の「煮干中華そば」。豚骨のフレーバーに溶け込む煮干しのパンチがぼくの記憶に刻まれました。

麺屋トラノコ

住所
霧島市国分福島3-6-6
Tel
0995-47-6659
営業時間
11:00〜14:30(L.O)、17:30〜21:30(L.O)
定休日
火曜
その他
席数 20
駐車場 あり

※掲載内容は記事公開時点の情報です。最新の店舗情報等につきましては直接店舗までお問い合わせください。

らーめん食堂 元斗好軒

ネオスタンダードは、今や定番に。

「らーめん食堂 元斗好軒」のラーメンを食べると、いつも胸の奥がホカホカと温もります。鹿児島を訪れるたびに好きになるのは、美味しい郷土料理があり、それを引き立てる焼酎があり、それらがぼくの舌に、肌にとても合うということが理由の一つではあるのですが、それよりも、出会う人々のやさしさ、おおらかさによるところが大きいように思います。
鹿児島の人々に持つイメージは、桜島に感じる印象と重なります。包み込むように雄大で、いつも近くにあるかのようにあたたかい。そんな鹿児島の温もりが形になったようなラーメンが、ここで食べられます。

鹿児島の名店「こむらさき」で修業を積む以前、店主・前田さんは「ライムライト」という喫茶店で働いていたそう。そして、その前はパティシエだったという、ラーメン業界において異色の経歴の持ち主です。こむらさきで提供される鹿児島のスタンダードともいうべき、昔ながらのラーメン。その姿を追い求め、気がつけば10年の月日が経っていたと前田さんは振り返ります。
オープン当初に来店した際、ぼくはここの「らーめん」を食べて、鹿児島ラーメンのネオスタンダードだと表現しました。ただ、今はちょっと違っています。ネオだと思っていた一杯は、いつの間にか、鹿児島ラーメンの定番になっているように、安定感を覚えるのです。

スープは脂っ気がほぼなく、国産の豚骨と鶏ガラを1:1の分量によって合わせた出汁による旨味、風味がしみじみと沁みます。透明感があるのは、スープを炊く際にじんわりと火入れするため。ドリップコーヒーを淹れるように、丁寧にそれを日々繰り返している店主の姿が想像できます。元ダレによって表現された甘めの味付けに鹿児島らしさを感じます。甘みが過ぎるとクドくなりますが、そういったコックリともたれる感じがなく、飲み口がさっぱりとしているのが特徴です。

トッピングでひときわ目をひくゴロゴロと転がる角切りチャーシュー、山盛りのモヤシは、店主の気前の良さを雄弁に物語っています。
麺は懇意にしている地元の製麺所から仕入れた中太ストレート。ワシワシとかき込む。それが似合う日常の一杯です。
営業は昼のみ。閉店後の店内には、宿題をする娘さんの姿がありました。家族との時間を大切にする店主らしいスタイルです。

らーめん食堂 元斗好軒

住所
鹿児島市山下町8-6
Tel
099-227-5705
営業時間
11:00〜16:30
定休日
日曜
その他
席数 10
駐車場 なし(近隣パーキング利用で100円キャッシュバックあり)

※掲載内容は記事公開時点の情報です。最新の店舗情報等につきましては直接店舗までお問い合わせください。

取材の取材 編集部は見た!ヌードルライターの目のつけどころ

ラーメンを食べるとき、あると便利なアイテムといえばレンゲ。お店によってさまざまな色、かたちをしていますが、ヌードルライターの山田さんにとってうれしいのは白いレンゲだそうです。理由は、白いレンゲは黒や赤いものに比べてスープの色がはっきりと見え、何が入っているのか、どんなスープなのかがわかりやすいから。写真は「麺食堂 TaRa」の中華そばのスープをまじまじと見つめながら堪能する山田さん。白いレンゲに、醤油のスープとキラキラした脂が美しく映えています。

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画像:著者
WRITER山田 祐一郎

日本で唯一(※本人調べ)のヌードルライターとして活動。実家は製麺所で、幼少期から数えきれない麺を食べてきた。地元福岡を中心に、日本各地の麺を食べ、記事にする。モットーは1日1麺。著書に『うどんのはなし 福岡』、2017年3月に麺索アプリ「KIJI NOODLE SEARCH」をリリース。公式webサイト http://ii-kiji.com/

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