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ヌードルライター、鹿児島ラーメン王に迫る!



いよいよ第4回鹿児島ラーメン王決定戦が間近に迫ってきましたね。鹿児島県下の人気・実力店が一堂に会することもあり、全国から熱い視線が向けられてきたこのラーメンイベント。日本で唯一(※本人調べ)のヌードルライターとして活動している私、山田もその一人です。あの店も、この店も、気になる、気になる。うわー、当日まで待ちきれない! ということで、ノミネートされた18店舗を巡ってみることにしました。怒涛の実食レポート18連発、全6回の記事にてお届けします。

マルチョンラーメン 本店

シンプルなのに物足りなさは皆無。

「小さな点からやがて丸になるという意味を込めた」という屋号の由来を聞いて、ストンと腹に落ちました。「マルチョンラーメン」の在り方は、とても慎ましやかで、「地域密着」という四文字がこれほど似合う店はないとさえ思えていたからです。
創業は1962年。以来、半世紀以上にわたり、地元っ子に愛されてきた老舗です。メニューはラーメンと大盛り、ご飯のみという生粋の専門店。しかも朝7:00からの営業という鹿児島では珍しいスタイルですが、実際、開店と同時にお客が訪れるというほど浸透しています。

整然と真っ直ぐに連なるカウンターの椅子、土間を挟んでその対面には小上がりがあり、このスタイルも昔ながら。お客さんはまさに老若男女で、取材時は午前10時頃だったのに、すでに小上がりでは家族団欒のラーメンタイムが流れ、来店の客足は途切れません。

厨房を見ると、代表の西浦さんを筆頭に、全員の動きにキレがあり、ちょっとした演舞を鑑賞しているような感覚になります。従業員の方々もその道うん十年と思われるベテランの方、そしてこれからの未来を支えていくであろう若手の存在、それぞれに光っていて、そんなベテランと若手の相乗効果が“今尚、輝く老舗”の原動力です。

初代が独学で辿り着いたマルチョンの味。そのスープは豚骨のみでとった出汁に元ダレを合わせ、透明感のあるきつね色に仕上がっていました。毎朝当日分を仕込むというその魅惑のあたたかい液体は、フレッシュ感に富み、口当たりはまろやか。豚骨100%による出汁なのにとても奥行きあり、スーッと入ります。
トッピングはチャーシュー、モヤシ、ネギとシンプル。鹿児島ラーメンに多く見られるネギ油が入らないのが特徴ですが、注文時に味の濃さや油の量を指定できます。自分好みの仕様で楽しめる一杯に物足りなさは皆無です。

合わせる麺は自家製。ストレートの中太角麺で、スパッと歯切れ良く、ムチっと力強く、最後まで茹でのびもしません。自社で麺を作っているからなのか、麺量も十分で、一杯でしっかりとお腹が満たされました。

マルチョンラーメン 本店

住所
志布志市志布志町志布志2丁目8-17
Tel
099-472-0576
営業時間
7:00~17:00(土日祝は18:00まで)
定休日
木曜
その他
席数 58席
駐車場 あり

※掲載内容は記事公開時点の情報です。最新の店舗情報等につきましては直接店舗までお問い合わせください。

鹿児島らーめん 三男坊

丁寧な下処理が味の土台を支える。

その一言に衝撃を受けました。「実は元々、居酒屋だったんですよ」。店主はそう言い、続けてこれまでのあらましを教えてくれました。居酒屋時代、メニューの一つとして「炊き餃子」を提供していたところ、そのスープがとても評判となり、これが現在のラーメンにおけるルーツに。つまりどこかで修業を積んだというわけではなく、完全なる独学によって今のラーメンを完成させたのです。

営業時間は平日が3時間、土日は4時間と短めで、加えて週のうち、木、金曜が定休日。ぼくのように他県の人間からしても、来店はなかなかハードルが高めといえます。ただ、それをものともしない吸引力。お昼時、店頭に列ができることも珍しくありません。

注文したのは基本のラーメンに辛味噌を加えたピリ辛テイストの「赤辛ラーメン」です。スープは鹿児島県産の豚のゲンコツと背骨、そして鶏ガラを7:3で合わせます。ほのかに黄色みを帯びたそのスープは、脂っ気が出過ぎないよう、骨の下処理を徹底。アクとともに血も抜き、骨に付着した余計な身をこそぎ、ピュアな旨味を抽出しています。その結果、スープに尖った感じがなくなり、丸みのある、人懐っこい味わいに仕上がっていました。

麺は2017年10月から自家製に。「スープ、タレ、マー油、全て手作り。いつかは麺も自家製にしたいと思っていました」という店主は、創業以来の夢を実現させました。店舗入口横に置かれた製麺機によって製造された、スパッと歯切れの良さを追求したという麺。形状は中太ストレートで、加水率は平均して30%台後半だそうです。

現在の形になるまでは、粉を変え、水分量を変え、というように、試作を繰り返してきました。先に完成していたスープに合うよう、一体感のある麺を求めていったという言葉通り、スープにやさしく寄り添うような質感。しなやかなコシが存分に享受できます。

トッピングで目を引くのが、豚の肩ロースによる大ぶりなチャーシュー。気前よく、どーんと3枚盛り付けてありました。赤辛ラーメン用の辛味噌は途中で溶かしつつ、味わいの変化を楽しむのが正解です。そうすることで、マー油によるパンチもゆっくりとスープに溶け込んでいき、一杯で多様な味わいが堪能できます。

鹿児島らーめん 三男坊

住所
鹿屋市新川町869
Tel
0994-41-9051
営業時間
11:00~14:00、土日祝11:00~15:00
定休日
木・金曜
その他
席数 37
駐車場 あり

※掲載内容は記事公開時点の情報です。最新の店舗情報等につきましては直接店舗までお問い合わせください。

TAKETORA

白いキャンバスだからこそ、赤が乗る。

風になびく黄色いのぼりが目を引き、店を見つけることができました。「TAKETORA」があるのは、指宿市の閑静な住宅街のど真ん中。店の前に立つとその建物は個性的で、壁の一部が緑一色。その緑色の上のほうで浮かび上がる「TAKETORA」という文字が目立っていました。イタリアン、フレンチ、そのような店のようにも見えます。中に入ると、鹿児島在住のイラストレーターによるポップなイラストが出迎え、その奥にBARを思わせる洒脱なカウンター席がありますが、家族連れにも使い勝手の良い座敷が広く取られているほか、テーブル席も用意され、気軽に立ち寄れる空気があります。

店主がラーメンの道に進んだのは、曰く「ご縁です」とのこと。実は奥さまの実家が指宿の人気ラーメン店「元祖指宿ラーメン二代目」なのです。自然な流れで「二代目」でラーメン作りを学ぶことになり、気がつけば約5年が経ち、これまた大きな力に誘われるように開業。「自店のラーメンでここは伝えたいという強み、ポイントはどこですか」という問いかけに、店主は「こだわりというほどのものは特にありませんよ。どこのお店もそれぞれに頑張っていますから、取り立ててうちだけが特別なことをしているわけではないと思います」とやさしく返します。良い意味で肩の力が抜けたスタンス。近くにそびえる開聞岳のような雄大さを感じました。

この日食べたのは、リピーター率ナンバーワンという「黒豚辛味噌らぁめん」です。一瞬で心を掴まれたそのビジュアル。なんとチャーシューが4枚ものっているではありませんか。チャーシューはラーメンにおいて最も原価が高いトッピングなので、これをデフォルトで奮発するという行為は、店主の太っ腹以外の何物でもありません。聞けば、このチャーシューは黒豚なのだそうで、普段よりも2倍、咀嚼し、肉のエキスをしっかり堪能しました。

スープは鶏ガラを主体とし、そこに独自の配合で豚骨を加えた合わせ炊きスタイルです。アク抜き、血抜きのための下処理に十二分な時間をかけるのが流儀で、営業している時間よりも長い時間をかけているとのこと。完成した白濁スープはとても清らかな表情をしており、飲むとすっきり、後味にキレがあります。ここに自慢の辛味噌が稲妻のような刺激をもたらすのだから、そのコントラストがたまりません。確かにインパクト十分で、辛党ならずとも記憶に鮮明に残り、ついつい次回もオーダーしそう。ベースのスープが白いキャンバスであるからこそ、その上に赤色、つまり辛味が乗るのでしょう。

麺は地元の製麺所にオーダーした特注。スープをサクッと持ち上げる真っ直ぐな中細ストレート麺は、控えめながらも存在感十分です。

TAKETORA

住所
指宿市大牟礼1-1-13
Tel
0993-22-5338
営業時間
11:30~14:30(L.O)、17:30~19:00(L.O)、土日祝11:30~16:00(L.O)※スープがなくなり次第終了
定休日
火曜、第3水曜
その他
席数 45
駐車場 あり

※掲載内容は記事公開時点の情報です。最新の店舗情報等につきましては直接店舗までお問い合わせください。

取材の取材 編集部は見た!ヌードルライターの目のつけどころ

ヌードルライターというだけあり、山田さんの麺に対する知識はただ者でありません。それはまさに「一日一麺」をモットーとする取材の賜物。その取材方法は、いたってシンプルです。事前情報はあまり入れず、回収した取材シートも一旦置いておき、普通のお客さんと同じように真っさらな状態でラーメンを食べます。余計な情報に左右されず、自分の舌で確かに味わった感想をもとに「美味しかったです」と店主のもとへ。数多くの麺を味わった山田さんだからこそ生まれる、自家製麺やスープの出汁のマニアックな質問に、店主も「よくわかりますね!」と思わず笑顔。こうして、ヌードルライター山田祐一郎にしか書けない記事ができあがります。

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画像:著者
WRITER山田 祐一郎

日本で唯一(※本人調べ)のヌードルライターとして活動。実家は製麺所で、幼少期から数えきれない麺を食べてきた。地元福岡を中心に、日本各地の麺を食べ、記事にする。モットーは1日1麺。著書に『うどんのはなし 福岡』、2017年3月に麺索アプリ「KIJI NOODLE SEARCH」をリリース。公式webサイト http://ii-kiji.com/

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