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ヌードルライター、鹿児島ラーメン王に迫る!



いよいよ第4回鹿児島ラーメン王決定戦が間近に迫ってきましたね。鹿児島県下の人気・実力店が一堂に会することもあり、全国から熱い視線が向けられてきたこのラーメンイベント。日本で唯一(※本人調べ)のヌードルライターとして活動している私、山田もその一人です。あの店も、この店も、気になる、気になる。うわー、当日まで待ちきれない! ということで、ノミネートされた18店舗を巡ってみることにしました。怒涛の実食レポート18連発、全6回の記事にてお届けします。

Noodle Laboratory 金斗雲

鉄球のような味噌の旨味。

ぼくが初めて金斗雲を訪れたのは2012年の夏。そして、この日、ぼくの鹿児島ラーメン観は大きく変わりました。ぶっちぎりだったのです、その何もかもが。そのことは今でも鮮明に覚えています。

鹿児島といえば、スタンダードな半濁系の豚骨ラーメンが主流で、それ以外なら味噌ラーメンのイメージが強かったのですが、2012年当時、趣が異なる4つのラーメンを用意しているではありませんか。さらに言うと、東京の製麺所「浅草開化楼」謹製の太麺で楽しむまぜめんがあるなど(※現在は自家製麺のみに切り替わっています)、その在り方は思わずため息が出るくらいに突き抜けていました。補足すると、4種のラーメンは醤油の「黒雲」、味噌の「黄雲」、あっさりの「白雲」、ピリ辛の「赤雲」というように色によって、その属性が記されていて、実にユニークです。

店内の時計を見ればハーマンミラーのネルソンクロック。ポスターにはsupremeなどストリートカルチャーを感じさせてくれるブランドに関連したものが選ばれていて、また驚きました。初来店した日に同行していたDJも嗜むカメラマンに「こんなにかっこいい音を聴きながらラーメン食べるの初めてっす」と興奮気味に言わしめる。開業時から、店主・岸良さんの卓越したバランス感覚が、この店には宿っていました。

岸良さんはこの店を開業する前、「五郎家」で修業を積んだそう。その経験をベースに生み出したという4色のラーメンから選んだのは、未食だった「黄雲」。スープは豚骨と鶏ガラを炊いた出汁が味の骨格を作っています。そこに自家配合の味噌を投入し、中太の自家製手もみちぢれ麺を合わせたら完成。
まずはレンゲでスープを一口。ファーストタッチを確かめ、少し口中で転がせば、味噌のコクが膨らんでいきます。塩気の尖った感じがなく、とてもまろやか。丸みがあってドスンと響く。それはまるで鉄球のような旨みがゴロンゴロンと脳天へと一直線。この風味を逃がすものか、ハアと漏れる吐息さえも思わず飲み込んでしまいました。プリッとみずみずしい食感の麺もコクの伝導に躍動をつけてくれます。

味わいとともに心に残ったのが、スタッフさんの爽やかな笑顔と、常に全力な動き。店内には暖房が入っているとはいえ、取材時は12月という真冬、キャップに汗が滲むスタッフさんの姿にはグッとくるものがあります。

Noodle Laboratory 金斗雲

住所
鹿児島市荒田1-57-4
Tel
099-251-2991
営業時間
11:00~15:00、18:00~21:00
定休日
火曜
その他
席数 21
駐車場 なし(目の前にコインPあり)

※掲載内容は記事公開時点の情報です。最新の店舗情報等につきましては直接店舗までお問い合わせください。

こだわりらーめん 十八番 ベイサイド店

甘さ、辛さ、相反する味覚が共存。

「ふく福」「寿庵」「廻る寿司めっけもん」「和処めっけもん」「かつ寿」「十八番」「炉の蔵」「洲崎」「RED PEPPER」「農園レストラン だいだい」————なんの羅列かというと、「こだわりらーめん 十八番」を手掛ける経営母体「寿福産業」のグループ店舗です。和食から寿司、トンカツ、ステーキ&ハンバーグまで、実に多種多彩な飲食店を展開しています。そんな背景を知ることが、「こだわりらーめん 十八番」を正しく理解する上で近道であるように思いました。

ここ、ベイサイド店は、「十八番」グループの中でも客席数50席を有する大バコ店舗に分類されます。窓側の席からは間近に桜島を望むことができる絶好のビュースポット。国道10号線沿いにあるだけに、このゆっくりと一息つけるベイサイドのロケーションは来店者にとって大変魅力的です。

看板メニューは店名を冠する「十八番らーめん」。そのほか、醤油、ネギ塩、担々麺、味噌、ニラ、つけ麺といった単品の麺メニューの数々、それらに組み合わせられる昼に夜に頼もしいセットもの、さらに鹿児島らしい黒豚使用の餃子や18種ものスパイスで調味した若鶏の唐揚げなどの軽く飲める居酒屋メニュー、というように、痒いところに手が届いたラインナップで迎えてくれます。お子様向けのラーメンやカレーまで押さえてあり、まさに“ラーメンファミリーレストラン”というべき、独自のスタイルを切り開いていました。これぞ、企業力。1店舗ではなかなかこれだけの品揃えを高い商品力を保ちつつ、提供するのは大変なことです。

食べたのは店長イチオシの「とん豚麺」。白味噌をベースに調味料16種によって味を調えたスープ、そしてそのスープを覆い隠すほどに敷き詰められた豚バラ肉100gが味の決め手です。その圧倒的な豚肉の物量は、一口ごとに頬張っても、麺よりも肉があまりそうなくらい。豚肉のほか、白髪ネギ、紅ショウガで紅白の彩りを添え、メンマ、キャベツ、海苔で脇を固めたら完成です。
味噌スープは唐辛子によってピリリとした刺激的な味わい。甘辛い豚肉からのエキスが溶け込んでいるため、甘くも辛いという相反する味覚が共存します。
麺は国産小麦を100%使用し、4日間も熟成させたという自家製の中太ストレート。やや扁平な平打ちタイプの形状により、豚バラ肉をごっそりと持ち上げてくれました。

こだわりらーめん 十八番 ベイサイド店

住所
鹿児島市浜町2 桜島桟橋鹿児島駅ベイサイドプラザ内
Tel
099-226-4118
営業時間
11:00~21:00、土日祝11:00~21:30
定休日
なし
その他
席数 50
駐車場 あり

※掲載内容は記事公開時点の情報です。最新の店舗情報等につきましては直接店舗までお問い合わせください。

五郎家

3つの驚きを備えた行列製造麺。

鹿児島を代表する行列店として広く知られる「五郎家」。店がある場所は、鹿児島市の中でも郊外に位置付けられる山田町です。JR鹿児島本線で出掛けようとするなら、最寄りの広木駅から約1.1km。成人男性が普通に歩いたら、およそ14分というところでしょうか。そんなお世辞にも便利が良いとは言えないロケーションながら、それをものともしない吸引力です。

注文時に最初のサプライズが待っていました。オーダーしたのは五郎家のスタンダードメニューである「おなじみのラーメン」。なんと値段が580円なのです。ぼくの知る限り、この基本設定は鹿児島では低価格の部類に入るように思います。大体は600円オーバーで、一杯あたりのボリューム感がしっかりとあるため、700円台、そして800円を超えるケースも珍しくありません。
「なんでそんなに安いんだろう」「ひょっとして量が少ない?」「店主が一人で切り盛りして低価格を貫いている?」————疑問符を頭の斜め後ろあたりに浮かべながらラーメンを待っていると、カウンター席の上に店主・竹田さんが記した額入りの言葉が掲示されているのを見つけました。竹田さんは一風堂、郷家という博多の名店で修業を積み、この店を開業したそう。そんな十二分なキャリアがあって、それなのに低めの価格設定。ますます困惑させられます。

2度目のサプライズは、運ばれてきたラーメンを見た瞬間に訪れました。どデカイ豚肩ロースのチャーシューが直立しているではありませんか。いやいや大きく息を吸い込み、よくよく刮目すれば、その“チャーシューの壁”はやや傾いていて、背後には山盛りのキャベツが隠れていました。
傍にネギを携え、スープの表面にネギ油が浮かべたそのビジュアルは、スーツの上からでもわかる屈強の肉体のよう。安かろう悪かろうとは遥かにかけ離れた妥協なしの精神がフルスロットルしています。

県内産の豚骨と鶏ガラでとった出汁に元ダレを効かせた豚骨醤油スープは、キャベツの甘みが溶け込み、味わいにメリハリがあるものの、その後口はさっぱり。合わせる麺は中細ストレート麺で、鹿児島ではやや細めでしょうか。全粒粉が練り込んであり、パスっと歯切れがよく、実に痛快。

麺を食べたら、ぜひとも「和え玉」(ニンニクorショウガ)を。これは黒酢ベースのタレで味付けされた替え玉のことで、残ったスープと組み合わせ、つけ麺のようにして楽しみます。「和え玉」だけで食べても文句なしで美味しい完成度の高さ。最後にもう一つサプライズがあるなんて!

五郎家

住所
鹿児島市山田町3448-5
Tel
099-275-1213
営業時間
11:00~21:00
定休日
火曜
その他
席数 24
駐車場 あり

※掲載内容は記事公開時点の情報です。最新の店舗情報等につきましては直接店舗までお問い合わせください。

取材の取材 編集部は見た!ヌードルライターの目のつけどころ

みなさん、ラーメンを食べた後にどんぶりの底を見たことはありますか?ヌードルライターの山田さん曰く、どんぶりの底にはスープを飲み干した人のみぞ見ることのできる、お店からのメッセージがときどきあるとか。山田さんはどこのお店に行っても、ほとんどのスープを飲み干してしまいます。それは、お店への敬意を込めた「ごちそうさま」にも見えます。写真のどんぶりの底は「金斗雲」のもの。ラーメン通の中には、どんぶりの底の写真のコレクターもいるそうです。

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画像:著者
WRITER山田 祐一郎

日本で唯一(※本人調べ)のヌードルライターとして活動。実家は製麺所で、幼少期から数えきれない麺を食べてきた。地元福岡を中心に、日本各地の麺を食べ、記事にする。モットーは1日1麺。著書に『うどんのはなし 福岡』、2017年3月に麺索アプリ「KIJI NOODLE SEARCH」をリリース。公式webサイト http://ii-kiji.com/

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