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  • 【鹿児島ラーメン王】本番前必見!出場人気18店が美味過ぎてヤバいです①


ヌードルライター、鹿児島ラーメン王に迫る!



いよいよ第4回鹿児島ラーメン王決定戦が間近に迫ってきましたね。鹿児島県下の人気・実力店が一堂に会することもあり、全国から熱い視線が向けられてきたこのラーメンイベント。日本で唯一(※本人調べ)のヌードルライターとして活動している私、山田もその一人です。あの店も、この店も、気になる、気になる。うわー、当日まで待ちきれない! ということで、ノミネートされた18店舗を巡ってみることにしました。怒涛の実食レポート18連発、全6回の記事にてお届けします。

ざぼんラーメン 与次郎店

まぶたを閉じると思い出される一杯。

半濁の豚骨スープに、ネギ油を合わせ、野菜をたっぷりのせる。これぞ鹿児島ラーメン!と広く県民に認知される「ざぼんラーメン」の一杯は、ここ鹿児島では普遍的な故郷の味であり、ぼくをはじめ、県外の人にとっては鹿児島ラーメンを知る上で一度は食べておきたい基本の形です。

この「与次郎店」は、店内が170席という大バコ。オレンジを基調にコーディネートされた空間は、今もなお、昭和の空気が息づいていました。カウンターがずらりと並ぶ中、よくよく見れば、それを上回るテーブル席の数。ピーク時には絶え間なく訪れるお客さんによって、このオレンジ色が減り、代わりに談笑の声があちらこちらから聞こえてきます。

看板メニュー「ざぼんラーメン」は、ワイルドに食べるほどに美味しい。整然とトッピングされた具材に一礼したら遠慮は無用、えいやあとレンゲでスープを底から持ち上げます。そして、その後も混ぜながら食べ進めていくのです。これは丼の底にあるラーメンの元ダレをスープ全体に行き渡らせるための儀式。ざぼんラーメンでは、元ダレを丼に入れておき、そこに茹でた麺、チャーシューやキャベツといった具材を盛り付け、最後に熱々の出汁を注ぐ調理方法を採用しています。一般的なお店の場合、元ダレに出汁を合わせ、スープを作ってから茹でた麺を入れ、最後にトッピングを添えます。

このように比較するとよく分かるように、ざぼんラーメンでは、元ダレと出汁を攪拌するという工程がありません。必然的に底は濃く、表面に近い部分は薄い味になっています。だから、よく混ぜるほどに美味しくなる。スープを一口吸うと、脂、そして塩気が極力控えてあり、さっぱりとした後口です。強引に引き寄せる感じではなく、さりげなく誘うような、しなやかな旨味があります。老若男女に広く愛される味。それはその言葉以上に難しいことです。それをやってのけているのが、ざぼんラーメンの凄みでしょう。

キャベツ、モヤシのシャキシャキ感がリズムを生み、チャーシューのほどよい塩気がアクセントになる。しっかり混ぜたあとの丼の中は特注の麺、豚骨ベースのスープ、トッピングが織り混ざった状態です。これを気取ることなく、ガッツリと頬張る。なんとも言えない快感が後に残ります。

ざぼんラーメン 与次郎店
住所
鹿児島市与次郎1-6-20
Tel
099-257-0605
営業時間
11:00〜21:00
定休日
なし
その他
席数 170
駐車場 あり

鹿児島らーめん たけ家

旨味が漲っている、たけ家の濃醇。

玉里団地の昭和レトロな商店街「モンキープラザ」の中で、ひときわ目立つ石垣のファサードの店を見つけたら、そこが「鹿児島らーめん たけ家」です。 店主は元々、行列店で知られる「鹿児島ラーメン 豚とろ」でおよそ10年、経験を積み、この店を開業しました。そんな前情報を知った上で来店したからこそ、大いに驚かされました。「豚とろ」といえば、トントロを使ったチャーシューがトッピングされた豚骨ラーメンが代名詞。ところが、この「たけ家」は、修業先の味を彷彿とさせる「濃醇こってりらーめん」だけでなく、こってりの対局にあるあっさり味、そして、みそ味、まぜそばというように、実にバラエティに富んだ麺料理を取り揃えています。

食べたのは「濃醇こってりらーめん」。丼に注がれたスープは見た目にやや褐色を帯びていて、所々に背脂が浮かび、口にせずともとろみが見てとれます。豚骨と鶏ガラを3:1で合わせたというこのスープ。実際に飲んでみるとファーストインプレッションそのままの高い濃度に思わず刮目しました。醤油ベースの元ダレもキリッと利いて、脳天にスコーンと旨味が突き刺さります。そして、その旨味の口中における滞在時間が長い。これはほんのりと感じるとろみに起因するもの。十二分な乳化によって脂分がスープに溶け込んでいる証拠です。レンゲを媒介し、唇に伝わるのは滑らかなる質感。そのままするりと喉の奥へと流れていきます。 このスープに深みを添えるのが、自家製マー油。食べ進める中で徐々に混ぜていくと、味わいに奥行きが生まれます。結果、濃厚でありながら、実に多面的な要素を含む一杯という印象に。

麺は中太ストレート。この麺とスープの絡みが秀逸です。麺がしっかりスープを持ち上げてくれ、麺とスープとの一体感が強く感じられました。

トッピングには厚めのチャーシューが二枚。脂身がほどよくある豚バラ肉で、仕上げに表面を炙ることで余分な脂っ気は落としてあります。香ばしくもやわらかいチャーシューは、この一杯における花形。心して噛み締めたいものです。

鹿児島らーめん たけ家
住所
鹿児島市玉里団地1-6-10
Tel
099-228-5558
営業時間
11:00〜15:00、土日祝10:30〜15:00
定休日
水曜
その他
席数 19
駐車場 商店街共有駐車場あり

製麺ダイニング jango

麺を追求する孤高の職人。

例えばラーメンの話をする際、「醤油ラーメンが好き」「私は味噌ラーメン派」「豚骨ラーメン一択だ」というように、好きなラーメンをスープのタイプによって表現することが多いように思います。そんな風潮がメインストリームのラーメン業界において、製麺こそ生きる道という気概を持ち、麺を打つことに情熱を傾ける店主が営む店がJR鹿児島中央駅近くにあります。それが「製麺ダイニング jango」です。

店に着くと、すぐに目に入るのが製麺機。店の最も目立つところに、製麺室がある。これこそ、無言のファイティングポーズ。小麦粉の袋には「jango Nix」と書かれてあり、つまり、製粉会社へオーダーした独自配合の小麦粉を取り扱っていることが分かりました。聞けば店主は厚生労働大臣認定の製麺技能士の1等級を所持し、来年にはマイスター(特級)を習得する見通しなのだそう。飽くなき麺への探究心に脱帽です。

一見するとそれほどおしゃべりなほうではなさそうな店主ですが、麺のことになると一転します。「この店の近くで姉妹店『jangoうどん』という創作うどん店も営んでいます。ただ、製麺するのは私だけです。1000食分、2000食分になっても、そこだけは譲れません」。そう話す表情は何かに夢中になっている人のそれであり、言葉は熱を帯びていました。

メニューは基本のつけ麺を筆頭に、味噌つけ麺、豆乳クリームつけ麺、ジャンゴレッドというピリ辛アレンジのつけ麺が揃い、加えて、鹿児島とんこつラーメンというスタンダードな一品、さらには醤油ラーメン、味噌ラーメン、豆乳担々麺という汁麺もラインナップ。それぞれに合うよう、オーダーメイドした切り刃を用いて製麺した極太熟成生麺3種、ソフトウェーブという4つの麺を使い分けるというから驚愕です。

まず食べるべき基本の「つけ麺」は、麺が主役。極太のストレート麺は表面が玉のようにすべすべで、周りを写し込むような光沢があります。持ち上げて啜ると、その麺は勢いよく唇の上を滑走。噛みしめれば小麦の豊かな風味が広がります。地鶏と豚骨によって旨みを抽出した動物系のスープに、カツオ節を中心とした魚介出汁を合わせたWスープのつけ汁は、ほどよく濃度はありながらも、その質感はさらり。麺にすっと絡み、麺を引き立てます。

製麺ダイニング jango
住所
鹿児島市中央町21-27 松元ビル1F
Tel
099-259-2550
営業時間
11:00〜21:30(LO)
定休日
なし
その他
席数 23
駐車場 なし
取材の取材 編集部は見た!ヌードルライターの目のつけどころ山田祐一郎さん

それは「製麺ダイニング jango」でのこと。ラーメン、うどん、さらにはパスタまで製麺することを知ったヌードルライターの山田さんが「まるで麺マイスターですね」と店主に一言。すると「そうなんです、まだあと半年かかるんですけど」とのこたえが。さすがヌードルライター、店主がマイスターの資格を取ることを知らずに当てていました。写真はあの美味しそうな麺上げを撮影する山田さん。右手に箸、左手にカメラのセルフ撮影です!

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画像:著者
WRITER山田 祐一郎

日本で唯一(※本人調べ)のヌードルライターとして活動。実家は製麺所で、幼少期から数えきれない麺を食べてきた。地元福岡を中心に、日本各地の麺を食べ、記事にする。モットーは1日1麺。著書に『うどんのはなし 福岡』、2017年3月に麺索アプリ「KIJI NOODLE SEARCH」をリリース。公式webサイト http://ii-kiji.com/

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